おすすめの片づけ本は、ごみ屋敷対策の参考書でもあります
親の家を片付けたいと考えていた私には、周りに経験者などの相談できる相手が誰もいませんでした。
手探りで片づけをやり遂げましたが、それはとてもとても大変だったのです。
そんな苦労話を誰かと語り合いたいのですが、あいにく知り合いにそんな経験をされた方は一人もいません。
そこで経験談と共感を求めて、本をさがしてみました。
読んでみたところ、なんというか…そう。癒されました…。
こういうところが大変だったよね!
私も同じことをやったよ!
などの苦労話を語る相手が欲しかった!でも居なかった。
そんなときに、本を読むことで共感や癒しが得られたのです。
そんな本の紹介です。
タイトル : 親の家を片づける
著者:ゆうゆう特別編集
主婦の友社
内容
老親が亡くなったり、施設に入ったりしたあとに浮かびあがる大問題。
それは「親の家を片づける」こと。
モノが捨てられない世代の親たちがそれまでの人生で溜めこんだ、
膨大な荷物をなんとかすること。
ある日突然にふりかかり、親の家が自宅から遠く離れている場合も。
いつから、どこから、どうやって始めたらいいのか……
いざ始めてみても、捨てられないが保管場所がない、
どう処分していいかわからない、
自分だけでは判断がつかないものなど、いろいろなものが出てくる。
何年も堂々巡りをする人も。
けっして他人事ではない、現代のやっかいな大問題に立ち向かった人の実例をもとに「親の家を片づける」ために必要なことをじっくり解き明かした。
今、日本中に広がっている「親の家の片づけ」問題。その知られざる実態、子世代の奮闘ぶりや心情、始める前に知っておきたい「心得」から、「疲れすぎず」「途中で挫折しない」ためのヒントを満載。
内容(「BOOK」データベースより)
親の家を片づけるを読んだ感想
この本の中には、15人の親の家を片づけた人達が出てきます。
親が施設に入ることになり、親に変わって家を片づけることになった人。
親が一人で暮らせなくなり、同居するために片づけを始めた人。
親が亡くなり、家を処分するために片づけることになった人。
さまざまな親の状態で、それぞれの事情は違えど「片づけ」をすることで大変な思いをされた人が出てきました。
その、すべての人に共通していたことがあります。
それは、家の片づけをすることで多大なストレスと心の傷を受けたということです。
時間を工面したり、費用の負担があったりという苦労はもちろんありますが、それよりも「どうしてこんな目にあわなくてはならないのか」
「兄弟、親などに協力してもらえなかった」
といった精神面での痛みを引きずってしまうのです。
これは、経験したものでないとわからないかもしれません。
しかし、その辺りの心理が丁寧に語られているので、私などは片づけで受けた精神的なダメージを軽減させてもらいました。
それはなぜかというと
「そうそう!うちも同じだった!」
「こういうところが大変だったよね」
というように、共感できるからです。
実際に語り合えるのが一番かとは思いますが、周りに経験者がいないので、この本にずいぶん癒されました(笑)
そして、これから片づけをされる方のガイドブックとしても役に立ちます。
色んな家庭の状況や、片づけの方法が載っています。
といっても、どちらかというと失敗談や反省点がほとんどです。
「もっとこんな風にしておけばよかった」
「こんなやり方で時間がかかった」
このような情報も、反面教師としてきっと役に立つでしょう。
「親の家の片づけ」が、これからの人も、すでに終わった人にもおすすめできる本です。
わが家のパターンに似ていたケース
第2章 ケース3 神奈川県 櫻井誠子さん
櫻井さんは神奈川県で教師として仕事をしながら、夫と自分の実家を片づけることになりました。
富山県に住む、年老いた1人暮らしの母を引き取ることになり、休暇を利用しての片づけは延べ4回、二十数日間に及びました。
親の家には、もったいないとなんでも取っておいたモノ達が、6ヶ所もある物置にぎっしり。それは、櫻井さん姉妹の教科書や衣類などもう必要なくなったものばかり。
夏の暑い日には、クーラーを取り外した部屋で汗が 汗が滝のように流れてあせもになり全身が痒くなりノイローゼのようになったそう。
そして、ゴミの収集日にはゴミ袋を何十袋も出したり、 親戚がトラックで何往復もして小さめの家具を燃やしてくれたりもしたそう。それでも足りずに市のゴミ回収の4 tトラックを3台頼むことに。
事務手続きを含め全てが終わった日には、最後に畳を拭きながら涙が止めどなく流れたそうです。
片付けや料理は苦手だったお母様。 櫻井さんは以前から母に物を少し減らした方がいいと言っていたそう。
でもお母様は何とかなると言い続けて現実と向き合おうとはしなかった…。
櫻井さんは最後にこんな風に語っています。
「片づけから7年経った今も母の顔を見るのも嫌な時がありますし、妹や弟に対しても不満が残った 。いつも何とかするのは長女の私。自分たちができないと言えば私がやってくれると思っている。それがどんなに大変なことであっても。 妹や弟たちに対しても全てを押し付けられたという恨みが残りました。」
私も、まったく同じ気持ちなので、櫻井さんのつらさがよくわかりました。
味方のはずの夫のせいで処分できなくなったケース
第4章 ケース11 静岡県 ローサンさん
車で30分の距離に住んでいる義母の介護で、夫と二人週3回、義実家に通っていたローサンさん。
整理整頓が趣味で自宅はすっきり片付けていたい。
そんな家に、ゆっくり整理するためとローサンさんの夫は、義父母のものを自宅に持ち帰り、処分することを拒みました 。
夫と自分の物との付き合い方の違いが浮き彫りになり、それが大きなストレスになってしまい、ローサンさんの髪は真っ白になってしまったそう。
これはきっと、片付けの疲れのためだけではないでしょう。
目標にしたい!と思える高齢親のケースも
第8章ケース15 東京都 宮田恵子さん
80代半ばに隣家の片づけと解体を見て、わが身を振り返った宮田さんの母。
99才で亡くなる時までに片づけを終えた家は、すっかりからっぽになっていたそう。
本当に必要なものだけを残し、人に譲ったり、処分したりを自身でされ、片づいた家の中で暮らしていけた晩年。
結果的には快適な暮らしぶりに思えたそう。
「寂しい」という気持ちにならずに気持ちをうまく切り替えて片づけに挑まれた宮田さんの母は、本当に目標にしたい方だと感じました。
こんな風に年をとりたい。
そして、子ども世代に負担をかけない生き方がしたいです。
最後に
私が皮肉に感じたのは、この本の中に出てくる片づけの主体となって苦労しているのは、みんな女性だということです。
本が出版されているのが、主婦の友社だということもあるのかもしれません。
残念なことに、おそらく実際にほとんどの場合で、女性がその役割を担わされているのではないのかと思います。
自分の親と義理の親。
その2軒の家の片づけに直面するのもそう遠い日のことではないかもしれません。
そんな時に慌てないために、予習をしておく必要があるかもしれませんよ?
現在はKindle Unlimitedで無料で読めます!
この機会にぜひ目を通しておいてください!
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