虐待を生き抜いた先にある「傷ついた子ども時代を持つ大人」の体験談
わたし、虐待サバイバー
総合評価
★★★★☆
著者:羽馬 千恵(はば ちえ)
この本をおすすめな人
- 毒親育ちの人
- 生きるのがつらい・仕事が続かない人
- 虐待問題に関心のある人
あらすじ
虐待を受けて育った子どもは、成人してもそのことに影響を受けてうまく生きていけなくなる…
これまでの児童虐待問題ではあまり取りあげられてこなかった
「虐待の被害者だった子どもが大人になった時」
を描いた自伝ドキュメント作品
良い点
- 児童虐待の「その後」が語られている
- 壮絶な生い立ちの体験談を知ることができる
悪い点
あまりにも壮絶で読むのが苦しくなる
わたし、虐待サバイバーの感想
再婚を繰り返す母。
何人かの義父たちからのセクハラや性虐待。
ネグレクトと自尊心の破壊。
これらの苦悩を乗り越えて、大学進学を機に実家を離れることができた主人公。
ここから先は自由な世界が待っているじゃないか!
さあ。これからは自分のために生きよう。
そう思っていたいた矢先に、今度は自分の内部にある問題に悩まされる。
長年受け続けてきた虐待により心のバランスを崩してしまっていたのだ。
子どもの頃に受けた心の傷により、おとなになってから自殺未遂を繰り返すほどの状態になってしまったが、それが子どもの頃の出来事と結び付けられることが無かった。
子どもの虐待問題は、大人になってしまうと、とたんに支援の手が離れてしまうことが多い。
当事者の被虐待児も、そのことに蓋をして生きていくことも多い。
開けると苦しいパンドラの箱だから。
しかし、体と心は苦しい苦しいと訴えつづけるのだ。
この著書
「わたし、虐待サバイバー」
は、そんな経験の欠片や断片がが少しでもある人であれば心に響く作品だと思います。
「わたし」の虐待体験
管理人であるわたし、やすちんも父親がアルコールとギャンブル依存で面前DVという家庭環境で育ちました。
そのため、この本のなかにある
「傷ついた子ども時代を過ごした大人」
なのです。
父から母へ、母から私へ、私から妹への暴力の連鎖は、当時はどの家庭にも大なり小なりあるものだと考えておりましたが、振り返れば悲しく惨めな気持ちになります。
詳細は以前ブログに書いていますのでよければごらんください。
総合評価
総合評価
★★★★☆
同じ苦しみを分かち合えた気持ちになれますが苦しくもなるので星をひとつ減らして4つにしました…
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