監禁されていた「ルーム」から脱出する緊迫感がたまらない!犯罪被害者の母と子の物語
総合評価
★★★★★
監督 レニー・アブラハムソン
主演 ブリー・ラーソン, ジェイコブ・トレンブレイ, ジョアン・アレン
ジャンル ドラマ
ルームのあらすじ
誘拐、監禁された少女はやがて犯人の子を身ごもり母になる…
こんな衝撃的なところから物語は始まる。
狭く暗い監禁部屋で暮らす母と子。
成長していく子どものことを考え脱出を企てるが…!?
実際にあった誘拐、監禁事件をモチーフに作られた衝撃作!!
この映画をおすすめな人
- 小さい子どもや年頃の娘のいる親
- 誘拐、監禁などの犯罪を憎む人
- どん底の状態から這い上がる人間の強さを感じたい人
- 緊張感のあるドキドキを味わいたい人
ルームの良い点
- 犯罪被害者の心理を知ることができる
- 親子の愛情が素晴らしい
- 過酷な環境でも負けない勇気をもらえる
ルームの悪い点
- 監禁生活の描写が凄まじく見ていて苦しくなる
ルームの感想
ある日突然、誘拐され、監禁された少女。
その少女は監禁部屋で犯人の子を生み、育てていく。
この絶望的な状況でも、少女は自分なりに子育てをしていくのだ。
狭い室内で一緒に体操をして運動をさせたり、きちんと歯磨きを教えている。
この場面だけを見ていると、まるで普通にワンオペ育児をしている母親を見ているような気持ちになっている自分に驚く。
絶望と孤独の中にもたらされた愛する存在。
それが憎い犯人の子だということを感じさせない。
いや、きっと彼女は感じていないのだ。
それどころか、まるで母子2人だけのまるで子宮内部のような守られた空間のように見えてくる。
誰にも邪魔されない、この広い宇宙でたった2人だけの世界のような感覚。
実は、私もこの感覚を味わったことがあります。
それは自分自身の子どもが生まれてすぐの頃でした。
お腹の中から出てきてくれた「人」とまるでまだ繋がっているかのように密着して過ごしていた数ヶ月。
その蜜月期間を母親なら味わったことがあるかと思いますが、この映画の中ではその時の感覚を擬似体験できるのです。
作品内の子どもは6才くらいに見えますが、社会から完全に断絶されているために、まるで赤ん坊と母親のままのように感じます。
しかし、それが不快ではない。
もしかしたらそれは母親ならではの感覚なのかもしれません。
そして、この「ルーム」にはもうひとり母親が出てきます。
そう。誘拐された主人公である少女の母親です。
この母も、とても苦しみ悩みます。
娘を守るために必死になります。
こんな理由もあり、母になったすべての女性に観てもらいたい作品だと思いました。
そしてそして、この先は急展開が待っているのだけど、ぜひ!観てもらいたいので書かないでおきます。
娘であり母である少女役のブリー・ラーソンは素晴らしい演技でした。
しかしそれを上回る素晴らしさだったのが子役のジェイコブ・トレンブレイくん。
最近では
「ワンダー君は太陽」
にも出て、その演技を高く評価されています。
ワンダー君は太陽
作品のモデルになった実際にあった監禁事件
この映画『ルーム』のモデルになった実際の事件はフリッツル事件と呼ばれる、実父が実の娘を24年間自宅の地下室に閉じ込めていたという凄惨な事件です。
しかし、私が思い出したのはこちらの
クリーブランド監禁事件
の方でした。
その事件の概要は、2002年から2004年にかけて行方不明になった女性3人が、監禁されていた家から約10年ぶりに救出されたというものでした。
容疑者として逮捕された男は被害者宅の近隣地区に住むスクールバス運転手の男。
被害者のひとりが監禁中に生んだ6歳の子供も一緒に保護され、DNA鑑定により容疑者との子であることが確認されたとのことでした。
この話しは、テレビの再現ドラマで見てとても驚いたのを今でも覚えています。
総合評価
総合評価
★★★★★
親子愛が素晴らしくストーリーの展開も文句無しの星5つ!
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