人にとって、動物にとっての幸せとは?星守る犬
星守る犬
総合評価
★★★★☆
監督: 瀧本智行
主演 :西田敏行, 玉山鉄二, 川島海荷
ジャンル: ドラマ
2011年6月公開
この映画をおすすめな人
- 犬が好きな人
- ロードムービーが好きな人
- 感動する映画が見たい人
星守る犬のあらすじ
妻に別れを告げられ、家族から逃げるように犬を連れて車であてもなく走り続けるおじさん。
その後、身元不明の遺体の乗った車が発見され、そこには死亡時期のずいぶん遅い犬の死体が寄り添うようにあった…。
そんなひとりと一匹の辿った道をなぞっていく衝動に駆られた青年が知っていく、おじさんと犬の物語。
星守る犬の良い点
- おじさんと犬の友情にも似た関係性に癒されるロードムービー
- 生きるとは旅なのだと思わせてくれる映画
- 犬を飼いたくなる
星守る犬の悪い点
尺の問題なのか、すべての登場人物を描ききれておらず、おじさんの家族との確執などが伝わりずらかった。
星守る犬をみた感想
最初にお伝えしておきますと、私は犬を飼ったことがありません。
そして、犬よりも猫派です。
犬はたくさんかまってお世話をしてやらないといけない。
しかし猫は、ある程度放っておいても大丈夫。
むしろかまいすぎると牙をむいてくる。
エサがほしい時だけすり寄ってくる。
そのくらいの距離感やツンデレ感が私にはあっている。
しかし、そんな私が犬を飼ってみたくなった。
というか一緒に暮らしてみたくなった。
主人公であるおじさんが、ツラい気持ちの時には寄り添い、寒い時には暖めあい、少ない食事を分けあって過ごしている姿をみていると、たまらなくうらやましくなった。
そんなひとりと一匹の、悲しい結末は最初に明かされている。
ひとりの遺体と一匹の犬の死体が乗った車が発見されたところから物語がはじまるのですから。
そんな悲しい結末が訪れる前のふたり(あえてふたりと言います)の暮らしはより一層輝いて見える。
車に乗って、どこまでもふたりで行くんだ!
行けるところまで!
そんな風に顔を見合わせて笑いあうふたり。
そんなふたりを見ていると、上質なロードムービーを見ているような気持ちになります。
優しいおじさんは、情けをかけた少年による事件に巻き込まれたあとも、ふたりは慰めあい前に進んでいく。
それは正しい方向では無いのかもしれないけれど、進むしかないから。
止まったときがおしまい。
だからふたりは進んでいった。
それは周りから見れば破滅へ向かっていったとしても。
残念だったのは、時間が足りなかったのか、登場人物の描き方がものたらなかった。
おじさん家族と犬との幸せな暮らしをもっと丁寧に描いてほしかった。
おじさんの娘と妻との家族の別れがちょっと唐突に感じてしまったのが残念。
原作のコミックも読みましたが、そちらの方が家族、親子の関係性がより丁寧に描かれていました。
アマゾンプライムリーディングやキンドルアンリミテッドでも無料で読める場合がありますので、機会があれば読んでみてください。
そして、さらによかったのは続編になる
続・星守る犬です。
映画の結末のその後が描かれていて涙が止まりませんでした…。
こちらもよかったら読んでみてもらいたいです。
犬にとって、飼い主にとって、本当の幸せとは?
この映画のレビューで、犬が最後に死んでしまうのはかわいそう。
ちゃんと最後まで飼えないなら誰かに託すなどしてほしかった。
などと書かれている方もありましたが、私の意見は違います。
愛するおじさんと引き裂かれて生きながらえることが果たして本当に犬にとって幸せなのか?
おじさんの最後の時を見送って、そのあともひとりで(一匹で)おじさんの亡骸の近くでエサを探してたくましく生きた犬。
そんな犬は不幸だったとは私にはとても思えない…。
家族とは?生きるとは?自然な死とは?
生き様、死に様、出会いと別れ。
いろんなことを考えさせてくれる。
そんな映画でした。
総合評価
総合評価
★★★★☆
結末が悲しいのと人間関係の描き方の物足りなさで★4つ
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