どうしてもやめられない歪んだ心理!万引き依存症はアルコールやギャンブルと違い直接社会を壊します!
総合評価
★★★★☆
万引き依存症
著者 斉藤章佳
万引き依存症はkindleで読めます
この本をおすすめな人
- 人間の心理に興味がある人
- 家族や自分自身に万引きや依存症などの傾向があり悩んでいる人
あらすじ
「万引き」といえば、まず思い浮かべるのは少年犯罪のそれではないだろうか?
しかしこの本で取り上げられる万引き犯の面々は、どちらかといえば若者よりも高齢者が多い。
そのなかでも認知症の数は少ない。
それはなぜか?
さまざまな「万引きをする人々」の例をあげて、社会全体での損失やリカバーしなければならない理由を解説。
万引きをする人の認知の歪みや境界知能の問題などに迫る。
万引き依存症の良い点
- 具体的な例をとてもわかりやすくあげられている
- 解決策も提案されているので、自分自身や家族の万引きに悩む人にも役に立つ
万引き依存症の悪い点
- 現実にこんな恐ろしい症状があるのかと暗澹たる気持ちになる
- 自分や周りにこういった人がいない場合はピンとこないかもしれない
万引き依存症の感想
非行少年の犯罪につきものの
「万引き」
しかし、実際の犯罪件数や被害の実態は少年犯罪よりも高齢者など 、それ以外の人々で行われていることがわかった。
万引きという行為は犯罪である。
しかし、本著に登場する人物たちにはその自覚はない。
そればかりか
「たったこれだけ(小額)のことで捕まるなんておか しい」
そんな認知のゆがみを抱えた人が多くいることに驚かされる 。
精神保健福祉士・社会福祉士である著者がであった
「万引きをやめ られない人々」
つまり
「万引き依存症」
の実例と驚愕の実態。
この著書を読んでみると恐ろしい事実が浮かび上がって きたのだ。
「認知機能のゆがみ」
を持った非行少年が一定数おり、適切な教育 (養育)を行わなかった場合は高齢になってもその状態は変わらな いということなのだ。
これは社会全体で取り組むべき大きな課題ではないだろうか?
実は私の身近な高齢者にも、この
「万引き依存症」
と思われる人物がいる。
高齢者と言ってもまだ60代後半の女性で認知症の症状は出ていない。
健康で資産もそれなりにある。
その日の暮らしに困っている訳ではない。
それなのに、スーパーで食料品を大量に持参したレジ袋に詰め込み金を払わずに持ち帰るのだ。
完全に万引きだ。
もちろん何度も捕まる。
その度に泣いて許しを請い、警察も来るし家族も呼び出される。
家族も困り果てるやら、怒りが沸くやら大変な状態になる。
しかし、ほとぼりが冷めると、その高齢女性はまた何度も万引きを繰り返すのだ。
その話を聞いた時は、とてもじゃないが信じられず、なぜ?どうして?と感じていたのだけど、この本を読んで、やっと理解ができた。
彼女の抱えていた闇が。
どうか、万引きがやめられなくて悩んでいる方、その家族の方、その他の依存行為について知りたい方。
ぜひ読んでみてください。
総合評価
総合評価
★★★★☆
万引き依存症は誰にでも起こりうると知れてよかったので星4つ!
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